残酷だけどシビアな年齢とキャリアについて
学びに早いも遅いも無い。
今この瞬間が勉強を始める一番のタイミングなのだ。
という考えは、全面的に正しいと思いますし、いつでも学ぶべきだと思っています。
しかし、企業の様々な思惑が絡む「転職」となると、なかなかそうもいきません。
こういう時は、企業が何を求めて採用をしているか、
その上で個人はどういう風に戦略を立てるべきか、
それぞれ分離して考えてみましょう。
企業側が考える事
黒字になるかどうか
シンプルに、その社員を採用する事が利益につながるか。
が最重要項目です。
例えば年収が300万円の人を採用したとして、企業は社会保険に加入させる義務があります。この費用は、個人と企業が同じ額を折半して支払うので、企業側も負担します。
その他交通費、教育費、備品費。
オフィスの占有する面積分のコスト~等細かい事考えると、なんだかんだ年間400万円~は掛かってしまいます。
という事は、400万円の利益を稼いで初めてトントン。
採用してもしなくても同じ。
という判断になりますので、それ以上の利益を稼げなくてはいけません。
では年収400万では?500万では?
自信が望む額面も大事ですが、それ以上に、その企業に入社する事によって、それ以上の額を自分が稼ぐことが出来るか、きちんと考える必要があります。
ビジネスモデルまで理解して「この部分で私は利益を出せます」という方と、
企業の事を何も理解せず「教えてくれたことを頑張ります!」という方。
人手不足の世の中なので、後者でも採用してくれる企業は多くありますが、企業として本当に望んでいるのはどちらなのか、真剣に考える必要があります。
その点に関しては、簡単にこちらで触れているので興味があったらご覧ください。
立場としてどうか
近頃は年功序列の考え方も薄まってきたとはいえ、やはり年上の部下は扱いにくかったりするもの。そのため、年齢が高めの方は、出来れば現場より管理職側に置きたいものです。しかし、管理職は結果責任を問われるため、スキルと実績が無ければ採用がほぼ無理。そのため、そのような判断をされる年代になるまでに、スキルと実績を身に着ける必要があります。
働く側の状況・必要条件
例えば実家暮らしの20代の方と、子供が2人居る40代の方。
生活の事を考えたら同じ条件は難しいですよね。
でも、上で触れた通り、その分の利益を稼げない人はそちら側の理由で難しくなります。企業側は本人の生活も判断した上で、提示できる条件で長期的に働いてもらうのは難しいと考え、不採用にすることが多くあります。
35歳転職限界説
このような言葉があります。
そして同時に、35歳転職限界説はもう終わった~等と諸説ありますが、この年齢には意味は特にありません。上記の理由で不採用になる事が多く、大体それが35歳くらいから如実に出てくるというだけです。
厳密に言うと何歳~という物に意味はなく、大体これぐらいの時期までに、きちんと自分を求めてもらえるようなキャリアを身に着ける必要があります。
じゃあどうすればいいの?
企業側の採用の検討項目に年齢が大きく関係するからには、働く側もそれを強く意識したキャリア形成を考えなくてはいけません。
細かい話をしすぎると非常に長くなってしまうので、今回はシンプルにまとめますが
①広く求められるスキルを持つ事(ベーススキル)
②高い専門性を身に着ける事(専門スキル)
この順番を意識しましょう。
このスタンスが一番選択肢を増やし、転職含めキャリアの幅を広げていきます。
例えば、接客・営業・事務スキルは、どの企業でもある程度は求められるスキルです。
これはどこでも使えるスキルなのでベーススキルです。
しかし、このスキルだけでは具体的な業務に取組むことが出来ません。ここに、業界や職務内容等が加わって専門スキルになります。
実際の事例で考えて見ましょう。
例えば美容師。ビジネスモデル上、ファンを作り、リピート客をどれだけ生み出せるかが重要なので、髪を切る技術だけではなく、高い接客スキルも求められます。
この接客スキルは、転職をしたとしても他の接客の仕事で十分に生かすことが出来ます。だからこれはベーススキル。
しかし、髪を切る技術を活かせる企業は、同業界内にしか存在しません。だからこれは専門スキル。
これがヒントです。
もし年齢が高くなっても「専門性が高いスキルを持っていれば、そのスキルを活かせる範囲内であれば求められる人材になれる」
という事
そしてそれは同時に「その専門性が求められない領域では、ベーススキルの方”だけ”が評価される」
という事です。
これらを踏まえて、自身のキャリアを考えてみるとこうなります
14歳~20代前半
あえて14歳から書きましたが、例えば工業高校に行く子たちは、この時点ですでに専門スキルを身に着けるために動いていますよね。本来キャリアはこのくらいの年代から考え始めるべきものなのです。
しかし考えておいてほしいのは「最初に就いた仕事を一生やるわけではない」
という事です。
20代前半までであれば、ベーススキルさえしっかりしていれば、他業界への転職も十分に可能なので、仕事で成果を出すために専門スキルも重要ですが、何よりも優先してベーススキルを身に着ける事に注力しましょう。
20代後半~30代前半
そろそろ自身のキャリアの棚卸をして、次のステップを真剣に考えるべき時期です。
この年代なら、ベーススキルがしっかりとしているのであれば、まだ十分に他業界に移れる可能性があります。
とりわけ専門スキルについては、今後自身の転職をする上で最も重要な物となりますので、ここから自身の数十年先まで左右すると言って過言ではない、重要なものとなります。
今の仕事でその専門性が身に付かないと感じているのなら、この時期に真剣に転職を考えたほうが良いです。
転職の仕方に関してはまた別記事で載せますね
30代後半~
ここからは、ベーススキルを用いた転職は諦めたほうが無難です。
とはいえ、諦めろという訳ではありません。
今自分が居る業界内、もしくは会社の中でのキャリアを工夫する必要があります。
この点も非常に難しい立ち回りとなりますので、具体的な戦略についてはまた別記事で書かせていただきますね。
ちなみに、ベーススキルだけでも転職する方法は実はあります。
こちらでも触れましたが、「繋がり」の力を使う事です。
出来ればこの年齢になる前から、そしてなった後も「繋がり」を作る事を意識しましょう。
ちなみに僕も色々な人と繋がりたいと思っているので、もしご興味あったらお気軽にご連絡下さいね!
メール:sss.ya0522@gmail.com
「ブログ見たよ!」だけでも喜びます笑
大分長くなりましたが、本日は一旦ここまで。
どの年齢の方も「ベーススキル」と「専門スキル」について、定期的に棚卸をしてみてくださいね。