自分は黒字社員?赤字社員?
皆さんは考えたことがありますか?
自分が赤字社員なのか、黒字社員なのかを。
それを知るためには、まず大前提としてPL(損益計算書)を読めるようになる必要があります。
社会人として仕事をし、自分の仕事の価値を理解するためには、実務で使う事が無いとしても、簿記3級くらいはもしかしたら取得した方が良いかもしれませんね。
とはいえ取得していなくてもわかるように、簡単にお話します。
大雑把に重要なものとして、
「売上」「原価」「売上総利益」「販売費及び一般管理費」「営業利益」
この辺りを理解しましょう。
でもまだ難しいですよね。
「売上」…物が売れた時にもらった代金
「原価」…その商品を作るのにかかった費用、原材料費等
「売上総利益」…売上から原価を引いた物
「販売費および一般管理費」…人件費とか、それ以外にかかる費用
「営業利益」…売上総利益から、販売費及び一般管理費を引いた、手元に残った利益
こんな感じです。
もっと雑に言うと
「売上」から諸々かかった費用を差し引くと「営業利益」が残るので、この営業利益がどれだけ残ったかが、そのビジネスがどれだけ上手く行っているかを表すよ。
という事だけ覚えておけば一旦大丈夫です。
自分の所属する会社のビジネスモデル
皆さんは理解できていますか?
自分の会社において、お客さんは誰で、一人いくらぐらい支払っていて、月何人ぐらいのお客様が利用してくれて、原価はいくらぐらいかかっているのか。
例えばコンビニの場合、原価率が50%~70%と想定して、一人のお客さんが500円分の商品を購入するとしたら、一人のお客様から得られる利益は250円~150円。
100人捌いて25,000円~15,000円と考えられます。
そこから土地代とか光熱費とか人件費を差し引いて営業利益が残ります。
500人~1,000人くらい捌かないとちょっとやっていられないかもしれませんね。
それ以外にも、月額費用を請求する業態。
販売数に応じてインセンティブを貰う代理店モデル。
色々な形はありますが、基本的にはモノやサービスを作って売り、費用を差し引いた物を利益として積み上げるのが全ての基本となります。
自分が担当する業務の付加価値
では、自分が担当する業務領域の付加価値はいくらぐらいでしょうか?
細かく計算する事は非常に難しいため、自分が関わるクライアントへの請求額と、関わる人数から逆算するのが良いかもしれません。
上で触れた原価についても忘れちゃいけませんね。
「自分が居ないと成り立たない」比率も本当は重要です。内勤アルバイトの人は、実はその人でなくてもいいかもしれませんが、営業担当が居ないとその売り上げは発生しない。製品開発の人が居ないと営業がそもそも売り上げを持ってこれない。など、重要度は色々な考え方があります。
自分の付加価値と給与の関係
仕事のやりがいや評価は給与が全てではありませんが、自分の市場価値を考えた時、自分の生み出した付加価値と給与はきちんと理解をしておく必要があります。
特に、上で触れたPL的考え方はきちんと持っておくべきでしょう。
とはいえ、業績が上がったからすぐさま企業が給与を上げるかというと、そう簡単ではありません。業績の上下には市場要因やムラもありますし、利益の全てを個人に還元するわけではなく、投資に回す分も勿論あるからです。
それらも理解した上で、自身の生み出した付加価値を理解しましょう。
自分がずっと関わってきた仕事の中であれば、転職するかもしれない知らない領域よりも、ずっと理解しやすいですよね?
この時もし赤字だと感じたのであれば、 少し焦った方がいいかもしれません。
日本企業において、赤字だから即クビというのはあまりないかもしれませんが、自身のスキル以上の待遇を得られている状態は、キャリアとして成長が非常にし難く、転職は更にし難い状態にあります。
それを理解出来た上で自分のキャリアについて改めて考えてみましょう。
転職する時に自分が求められるのか、求められないのか
自分の付加価値を理解した上で、 転職が出来るかどうかを考えましょう。
PL的な考え方を理解できていて、転職候補の企業のビジネスモデルを理解できているのであれば、自分がその企業に行った時にどれだけの利益を生み出せるか、もちろん推測にはなってしまいますが概算は出来ます。
それらも踏まえて相手の企業に貢献し、利益をもたらすことが出来ますと自信を持って言えないのであれば、転職したとしても給与額は原則下がると思った方が良いでしょう。
自分が生み出す付加価値を相手に委ねてしまっている状態で、更に条件まで改善を望むのはちょっとばかり都合が良すぎます。
ちなみに、そんな状態でも条件改善も含めて交渉する方法があったりしますが、それは「繋がり」を使う事です。
とはいえ自分のキャリアの本質は常に、自分がどれだけの価値を生み出せるか。です。
良い条件の所に行く事はすごく大切な事ですが、その条件を引き寄せられるような価値を生み出せる人間になる事を常に考えて、自身の成長を常に考えていきましょう。